最近では、「今はWeb3.0だ」や「Web3.0の時代が来る」と話題になっていませんか?しかし、Web3.0がどういうものなのかわからない方も多いのではないでしょうか。
Web3.0は、現在の当たり前に使っているインターネット環境に大きな変革をもたらす可能性があります。この記事では、Web3.0の基礎知識や注目されているトピックについて解説していきます。
これまでのインターネットの歴史もあわせて紹介していきますので、Web3.0を理解して頂く一端となれば幸いです。
Web3.0(Web3)とは?
Web3.0とは2018、2019年頃から始まった概念で、「次世代インターネット」と呼ばれており、大きな注目を集めています。
GAFAM (Google、Amazon、Facebook、Apple、Microsoft)と呼ばれる巨大企業が個人情報や利益などを独占してきました。それぞれのサービスにおいて、プラットフォームの管理者が中心に存在している、「中央集権型のサービス」です。管理者が定めたルールに従い、利用しています。ルールに反してしまうと一方的にアカウントが凍結されたり、サービスを利用できなくされてしまいます。ブロックチェーンをはじめとする技術を利用し、情報を分散管理することで、巨大企業による独占からの脱却をしようとしているのが、Web3.0です。
Web3.0までに遍歴
「Web1.0」は1990年代後半のインターネットの普及率が急激に増加した、この頃のインターネット環境あたりを指します。
情報発信者はITリテラシーの高い一部の人だけで、個人が自由に発信したりすることは難しい環境でした。一般ユーザーは情報を受信することがメインで、Webサイトもテキスト中心のサイトが主流でした。
「Web2.0」は個人が自由に発信することが可能になった環境です。SNSの普及により、インターネットは「受け取る」だけでなく「発信する」ことが可能になりました。
Web1.0では、情報の送り手と受け手が固定され、送り手から受け手への一方的な流れであったが、送り手と受け手が流動化し、誰でもがウェブを通して情報を発信できるように変化しました。
Web3.0(Web3)特徴
個人情報の漏えいリスクの低下
YoutubeやInstagramなどに代表されるWeb2.0のサービスは、利用するために個人情報を入力する必要がありました。ユーザーの個人情報は、これらのサービスを運営している企業のサーバ内で管理されていたため、外部からのハッキングや管理者による誤操作などで、それらの情報が一気に流出してしまうというリスクを抱えています。
一方Web3.0のサービスを利用するためには、どこかのサーバに情報を登録する必要がなく、個人情報の登録は基本的に不要です。これによって個人情報の漏えいリスクが大幅に減少しています。
セキュリティも向上
ブロックチェーン技術の採用により、セキュリティが向上しています。ブロックチェーンとは、「取引の履歴を鎖のようにつないでデータを管理するという技術」のことです。ブロックチェーンを採用することで、データの改ざんが困難な分散管理型のシステムが実現しました。
サービスの安定化
Web3.0では、管理者を必要としないサービスが展開されています。それらのサービスは、管理者がいないかわりにプログラミングされたとおりに動くため、プログラミングに変更がない限り、定期的なメンテナンスなどの必要がありません。メンテナンスのたびにサービスが利用できなくなるといった心配もなく、24時間使うことが可能です。
Web3.0(Web3)様々な技術
NFT
NFTは「Non Fungible Token」の略称で、日本語に訳すと「非代替性トークン」という意味です。
これまでは、デジタルデータ作品は複製、改ざんが簡単にできていました。しかし、ブロックチェーンの技術を活用することで、デジタルデータであっても複製ではない本物であることが証明できます。
実際の商品にもシリアルナンバーを記載することで、世界に100個しかないうちの1個であることを証明することができますが、それのデジタル版だとイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
また、ブロックチェーン上では過去の取引データの記録がすべて残ります。そのため、過去に有名人が所有していたことがわかり、価値が上がるなんてこともあります。
また、毎回の取引で発生した利益の数%を制作者に還元するというルールを設定することも可能です。
これにより、作品の価値が上がることで、制作者にも利益が還元される仕組みを作ることができるのです。
The Sandbox と内で自作したNFTオブジェクトを売買する事ができます。
メタバース
メタバースは、英語のMeta(超越)とUniverse(宇宙)を組み合わせた造語でインターネット上に構築された仮想空間のことです。
メタバースの定義を一言で表すのは難しいですが、VRゴーグルをかけて、バーチャル空間でコミュニケーションをしたり、ゲームをしたりしているところをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。
2021年10月Facebook社がMetaへ社名を変更し、メタバース事業に積極的に投資していくとマーク・ザッカーバーグが発表したことで、メタバースという言葉を広く知るきっかけとなりました。
バーチャル空間というとゲームのイメージが強いかもしれませんが、バーチャル空間上の美術館でデジタルアート作品を展示したり、アーティストがライブをしたり、アパレルブランドがショップを展開していたりなど、経済圏としても急速に成長しています。
今後、VRゴーグルが軽量化されたり、通信技術が高速化されたりなど、現状の課題がクリアになることで、メタバース上で1日のほとんどを過ごし、そこで生計を立てている人も出てくると言われています。
DAO
DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは日本語で「分散型自律組織」と呼ばれている、近年大きな注目を集めている組織形態のことです。
DAOには中央集権的な権力を持つリーダーがおらず、参加者全員が平等な立場で組織が運営されます。
多くのDAOでは、意思決定を行うための投票権を獲得できるガバナンストークンという仮想通貨が発行されています。
DeFi
web3.0(web3)領域のトレンド技術のひとつが「DeFi」です。DeFiは「Decentralized Finance」の略称で、日本語に訳すと「分散型金融」となります。
大きな特徴として、銀行や証券会社、仮想通貨取引所などの中央管理者が存在しなくても、金融資産の取引が可能です。
たとえば、国内の仮想通貨取引所を利用すると「入出金に時間がかかる」「手数料が比較的高い」などのデメリットがあります。
これは、国内の仮想通貨取引所が中央集権的な仕組みになっているからです。
しかし、DeFiはブロックチェーンの技術を用いて取引記録をユーザー同士が管理するため、中央管理者を介す必要がありません。
そのため、入出金にかかる時間が短く、手数料も安くなります。
また、海外の金融商品に投資する場合、日本の金融機関で口座を開設し、さらに日本円を投資先の国の通貨に交換する必要があります。
DeFiでは、自身の通貨を管理する「ウォレット」をスマホ1台で開設でき、すぐに海外の金融商品に投資することが可能です。
SocialToken
SocialToken(ソーシャルトークン)とは、特定のコミュニティで使用できる独自のデジタル通貨(トークン)のことです。
トークンを所有することで、そのコミュニティの限定イベントに参加できたり、イベント企画に参加できたりするなどの特典を得ることができます。
国内の事例として、Jリーグの湘南ベルマーレでは、国内のプロスポーツチームとしてファン向けのSocialTokenを初導入しました。湘南ベルマーレのSocialTokenを購入すると、次のような権利を保有できます。
THETA(Theta Network)
Web3.0でのYouTube? THETA(Theta Network)とはブロックチェーン技術により、特定の管理者を必要としない仕組みのため、高画質での動画配信や低コストでの運用が実現しています。そのため、従来の動画配信の課題を解決するプラットフォームとして期待されているといえます。YOUTUBE共同経営者のSteve Chen氏をアドバイザーとして起用していることからも、プロジェクトとしての信頼度や将来性の高さがうかがえます。
まとめ
Web3.0は次世代のインターネットとして注目を集めています。まだまだ進化の途中で、これからさまざま分野で幅広いサービスが展開されていくことが期待されます。今後は、新たなサービスを消費者が安全に利用できるための法整備も求められると思われます。
現在のWeb2.0のサービスを提供しているGAFAMの動向も注目です。Web3.0への移行の声が上がる現在でも、Web2.0を提供している会社は依然として強い影響力を持っています。これらの大手企業がWeb3.0にシフトしていく時期や、タイミングが大きなポイントとなるのではないでしょうか?
早い時期にWeb3.0について理解しておくことで、今後のインターネットに適したビジネスを展開できる可能性も高くなります。自社のビジネスや自己の成長の為にも、Web3.0のこれからの変化や新技術などの情報を素早くキャッチするアンテナを張っておくことも重要だと考えます。