ロシア兵の“本音” 通話傍受か「2週間のはずが」・・・州庁舎にミサイル 女の子も死亡

ロシア兵の“本音” 通話傍受か「2週間のはずが」・・・州庁舎にミサイル 女の子も死亡

ウクライナとロシアの代表団による停戦交渉がトルコで行われました。双方の代表団は、「一定の進展があった」という認識を示しています。

 その一方で、ロシア軍のミサイル攻撃は、ウクライナ各地で続いています。ウクライナ南部のミコライウでは、州庁舎が攻撃され、被害が出ています。

■ウクライナが“反転攻勢”

ドンバス地方の街中を走行するロシア軍の戦車。次の瞬間、ウクライナ軍のミサイルが後方から接近。戦車の上部を直撃し、炎と共に白煙が上がりました。

雄たけびを上げるウクライナ兵。ロシア軍の車列に、ミサイルを撃ち込みました。

銃声が鳴り響くなか、2発目のミサイルをセット。画面いっぱいに白煙が出ます。高速道路を走るロシア軍の車列も、同時に数カ所で爆発。黒煙や白煙が高く立ち登っていました。

反転攻勢を強めるウクライナ軍。首都キエフに隣接するイルピンは、ロシア軍による激しい攻撃にさらされていましたが、ウクライナ軍が奪還に成功したと市長が発表しました。

イルピン市長:「きょうは良いニュースがあります。イルピンは、きょう解放されました」

さらに、ゼレンスキー大統領も、次のように話しました。

ゼレンスキー大統領:「我々の軍はキエフ地方で前進し、領土の支配権を取り戻しています」

しかし、完全に攻撃が止んだわけではありません。

イルピン市長:「まだ、これからも攻撃は続くだろうが、我々は守り続ける」

■“奪還”も変わらぬ不安

また、ロシアとの国境に近い北東部の街・トロスティアネツの奪還にも成功。戦闘車両に乗り、勝ち誇るウクライナ兵。市民は手を振って、兵士を歓迎していました。

街の中には、破壊されたロシア軍の車両が何台も放置されています。大量の弾薬が入った箱も残されていました。

街の奪還に沸くウクライナ兵たち。しかし、多くの家や建物が破壊され、戦闘の爪痕が大きく残されています。

住民:「私たちの街は、完全に占領されていました。きのう、ロシア兵たちは家の地下室にやってきて、缶詰やジャガイモ、キュウリなどを盗んでいきました」「駅周辺では、多くの住宅が被害を受けました。私の家も、砲弾にやられました」

いつ、ロシア軍の攻撃が再開されるか分からない状況のなか、市民は不安を抱えたままの生活が続きます。

■ロシア兵の“本音”通話傍受か

ウクライナ軍が攻勢に転じるなか、ロシア軍の通話を傍受したとする音声をウクライナ保安庁が公開しました。

ロシア兵の通話:「この戦争があと半年続いたら、もうロシアに戻れなくなる。もう、ロシアは存在しなくなるだろう。少なくとも、今の3倍から4倍の軍人を増やさなければならない。増員なしで、どうやって解決できる?できるわけない。増員は、まだ行われていない。だから、こんな結果なんだ」

そこには、ロシア兵の“本音”とも思われる言葉がありました。別の日に公開された音声は、次のような内容でした。

ロシア兵の通話:「毎日、目が覚めたら、まだ生きていることが、とてもうれしいと思う。19日には、もうここにいないと言ったでしょう。ここに入って、2週間で出るはずだった。19日は、もうとっくに過ぎた。話は、すべてウソだ」

■州庁舎にミサイル・・・“巨大な穴”

一方で、ロシア側の攻撃は続いています。激戦が続くミコライウの州庁舎に付けられたカメラが捉えた映像です。

映像が揺れた直後、画面右側から煙が上がります。しばらくすると、煙が画面いっぱいに広がっていきます。映像をよく見ると、左側からミサイルが飛んで来るのが確認できます。

29日の朝、ロシア軍が州庁舎を爆撃。建物の中央辺りが崩壊し、大きく穴が開いたような状態になっています。砲撃前と比べると、大きく崩れ落ちているのが分かります。

近くにいた男性:「飛行機は見えなかったが、ミサイルが飛んできた。地面に伏せた1秒後に爆発が起こり、爆風でガラスや破片が飛び散りました」

州庁舎にいた女性:「私の階にいた女の子が亡くなりました。何と言えばいい?冗談でしょう?彼女をハグした2分後に、爆撃がありました」

州庁舎の窓ガラスは吹き飛び、中はがれきの山になりました。

ミコライウ州知事:「建物の半分が壊され、私のオフィスにも当たりました。被害ですが、我々は運が良くて、ほとんどの人が外に出れて助かりました。奇跡です。どうして、無事だったかも分かりません」

非常事態省は、この爆撃で7人が死亡、22人がけがをしたと発表しました。

デンマークの議会に参加したゼレンスキー大統領は、次のように話しました。

ウクライナ・ゼレンスキー大統領:「(ミコライウ州庁舎は)ロシアにとって、何の危険性もない場所です。しかし、彼らは他のウクライナ人と同様に、ロシア軍のミサイルや空爆、砲撃の狙いとなってしまいました」

■ロシア軍パラシュート 上空で「Z」

激戦地マリウポリでは、ロシア軍による爆撃が止みません。マリウポリの被害の様子をロシア国営テレビが公開しました。

16日に攻撃を受け、およそ300人が犠牲になった市内の劇場。ロシア当局は劇場への攻撃を否定していますが、内部はがれきで埋め尽くされ、見る影もありません。

市長は、これまでに5000人が亡くなり、建物の9割が損壊しているとしています。

ロシア軍も、次々とウクライナ側を攻撃する映像を公開しています。中には、こんな映像もありました。

ロシア中央軍の軍事パラシュート選手は、ウクライナで活動している兵士を応援するため上空3000メートルからダイブ。上空で「Z」の文字を描きました。

■ハリコフ 消火中にも“爆発音”

ウクライナ第2の都市ハリコフでも、攻撃は続いています。

消防隊員:「皆、大丈夫か?」「大丈夫だ、無事だ」

消火活動中にも、銃声や爆発音が聞こえます。消防隊員は身を伏せ、攻撃を避けながら、消火を続けていました。

■停戦交渉で進展「結果を追求する」

トルコのイスタンブールで、ロシアとウクライナの停戦交渉が、およそ3時間半にわたって行われました。

ロシア代表団は、キエフなどに展開しているロシア軍の兵力を大幅に削減する方針を表明。ゼレンスキー大統領は、自身のフェイスブックなどでコメントを発表しました。

ゼレンスキー大統領:「交渉の場から聞こえて来るものは、ポジティブなものだと言える。しかし、我々を破滅させるために戦い続ける、国の代表者の言葉を信頼することはできない。これからも、私たちは、できる限りの交渉を続けていきたいと思います。私たちは、結果を追求していきます」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年3月30日放送分より)

[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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