反転攻勢を強めたウクライナ軍が、ウクライナ北東部・ハルキウ州の要衝イジュームを奪還しました。半年ぶりに町が取り戻され、市民に喜びの声が広がりました。一方、ロシアではプーチン大統領を批判する声が上がりはじめる“異例の事態”になっています。
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ウクライナ北東部・ハルキウ州。11日に公開された映像では、住民らがウクライナ国旗を広げながら、安堵(あんど)の声を上げました。
「(この日を)待ってた! ありがとう!」
市民らは半年ぶりに町が取り戻され、喜んでいました。
ウクライナ兵士
「ここは以前も、未来もウクライナだ。ロシアの世界はもう来ない!」
さらに要衝のウクライナ・イジュームでは、「イジュームはウクライナの領土だ! バンザイ!」と、市庁舎の屋上で兵士らが国旗を掲げ、「ロシア側から街を取り返した」と宣言しました。
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実は、イジュームの奪還は、ウクライナ側にとって大きな意味を持つといいます。その背景は、イジュームの地理的な位置関係にありました。
イジュームは、ウクライナ東部・ドネツク州の完全掌握を目指すロシア軍が、前線に物資を送る重要な補給拠点の一つでした。
9月に入り、ハルキウ州で反転攻勢を強めたウクライナ軍は、わずか1週間ほどで、イジュームを含む、ハルキウ州のほぼ全域を奪還。ロシア側は、前線への補給路を断たれ、作戦は“破綻した”と指摘されています。
しかし、地元市議によると、イジュームでは市民約1000人が犠牲になったということです。
さらに、奪還された村では、ロシア軍が仕掛けた地雷の撤去が続くといいます。
ウクライナの当局者
「完全に(爆発物を)除去するには、1か月はかかると思う」
ウクライナは、南部での反撃に重きを置く構えをみせつつ、奇襲する形で北東部のハルキウを奪還しました。
ウクライナ ゼレンスキー大統領(12日公開のSNSより)
「9月初めから今日までに、わが戦士たちはすでにウクライナ東部と南部で、6000平方キロメートル以上を解放した」
9月だけで、東京都の実に3倍近くの領土を、ロシア側から取り戻したと主張しました。
イギリス国防省は「ウクライナの成功は、ロシアの作戦に大きな影響を与える」と指摘しました。
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こうした中、ロシア国内では、プーチン大統領を公然と批判する声も聞かれるようになりました。
「ウラジーミル・プーチンのロシア大統領辞任を要求する!」
プーチン氏に辞任を突きつけたのは、モスクワやサンクトペテルブルクなどの地方議員グループです。体制批判が取り締まり対象になりうるロシアで、こうした声が上がるのは異例のことです。
さらに、プーチン大統領に忠誠を誓うチェチェン共和国のカディロフ首長も、作戦に「間違いがあった」とロシア軍を批判しました。
劣勢ともいえる状況に、ロシアのペスコフ大統領報道官は、「すべての目標が達成されるまで、作戦は継続する」と強気の姿勢を崩していません。
イギリスの有力紙タイムズは、「手負いのプーチン大統領の方が危険だ」と指摘しています。
(2022年9月13日放送「news every.」より)
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